上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
もうすぐカレーラスのデビュー50周年リサイタルから一週間たとうとしていますが
未だ興奮の醒めることはありません。
そんなわけで、大妄想超長文を深夜に書きました。
苦手な方は、飛ばしてくださいませ。

その日、早起き(!)した私はまずCatalunya Musicaでネット放送を聞きはじめました。
カタルーニャ語による解説でわかるもの・・・・・・
「ジュゼップ・カレーラス」(←カタルーニャ語名)とオペラのタイトル・役の名前、
アリアの名前くらいなものです。

彼が登場したと思われる頃、会場の拍手が一段と大きくなり
かなり長い間、その拍手が続いてなかなか歌いださなかったように感じました。
1曲目の「ガンジス川に陽はのぼり」の前奏が始まって、私は妄想をふくらませます。

ああ、今、彼はどんな表情でステージに立っているのだろう。。

最初の歌で、彼は今日大変調子が良さそうだと感じ、少し安心。
グッと彼の世界に観客を引き込んだのはトスティの3曲。
甘美なメロディーに彼の繊細な表現、もう誰にも真似できない世界。
まるで夢の中を心地よく彷徨っている感覚。

うっとりとしているところへ、ドラマティックなプッチーニの2つの歌曲。
「大地と海」「知らせがあっても」どちらも若い頃からリサイタルで歌い続けています。
声は年齢を重ねた感じがありますが(決して悪い意味でなく)
時折音を伸ばしているときに感じる、若い頃と変わらない情熱。
「若い!!」と思わず叫んでしまったほどでした。
一年に何十回とこなすリサイタルやコンサート、それを何十年も続けていながら
一度として投げやりな歌を歌うことなく、いつもその時を大切に真摯に歌い続けるカレーラス。
そんな長い長い時の積み重ねを感じました。

第2部はまさにヒット曲?の連続です。
トルドラの歌曲は日本ではなかなか聞けなくなりましたが
「見習い水夫の歌」は大好きです。
港町バルセロナの男らしく、彼の海の歌を聞くと潮風に吹かれている感じがするのです。

そしてグァスタヴィーノの「バラと柳」。今日一番待ち焦がれていた歌でした。
スペイン語の持ち歌がたくさんある中で何を選ぼうか・・・と考えたとき
この小品が何度も選ばれて歌われているのは不思議なことかもしれません。
しかし、この曲の中にカレーラスのすべてが表現されることを
私たちファンはよく知っているのです。
この日はとても、とても情熱的でした。なんだか熱すぎて、柳の木が燃えてしまいそう(笑)。
最後は「泣き節」でまた泣かせていただきました。

そういえば、この辺から「もう誰も止められない」くらいの情熱で
カレーラスは歌っているように聞こえました。
確かに「遥かなるわが故郷」に続き、お得意のナポリターナが続きましたが
燃えに燃えて歌っているようでした。

だからこそ、最後の歌「ヴリア(望郷)」の歌いだしのピアニッシモと繊細な表現は
歌い手の哀しみをより一層際立たせ、聞き手の心を捕らえました。
しかしその日は燃えに燃えるカレーラス、すぐにパッションに火がついて
ラストは全身の力を振り絞るように歌いあげ、会場もそれに負けない情熱で
彼を包みました。

アンコール2曲目「カタリ・カタリ」は前奏が始まるとすぐに会場から拍手が起こり
日本だけでなく、世界中でカレーラスの歌うこの歌が愛されていることを感じました。
カレーラス自身もそれを良くご存じなのでしょう、あふれる情熱で歌いあげ
歌が終わらないうちから拍手と歓声が沸き起こりました。
このアンコールがテレビ局による録画中継でカットされていたのは
本当に残念なことでした。

私は3曲目「ヴィエルノ(冬)」が大好きなので、特に集中して聞きました。
もうこれも情熱情熱・・・・・・また情熱。
寒い冬に赤々と燃える暖炉の火のようです。
そして「母さんなんか僕を暖められないよ」のところはワガママ息子のように吐き捨てて。
恨んで嘆きまくっていました。でもそれが私の心をまた鷲掴み。

「君を愛す」(T’estimo)はきっと誰もが待ち望んでいた歌だったでしょう。
グリーグの歌曲をカタルーニャ語にしたこの歌は、白血病から復帰した時に
まず歌いたいとカレーラスが願った歌ですから。
そして私たちも彼に伝えたいのです。復帰コンサートでのあのウィーンの人たちのように。
「私たちも、あなたを愛していますよ」と。

7曲目「夜の声」のアンコールが終わった後、しばらく拍手は続きましたが
だんだん小さくなり、「ああ、これで終わりか・・・・」と思っていました。
すると突然ピアノの音が。
「彼女に告げて」です。復帰後のリサイタルCDでこの曲に夢中になりました。
彼の声でなかったら、彼の歌でなかったら、こんなに好きな曲にはならなかったでしょう。
その時と変わらない思いのこもった歌唱で、カレーラスはリサイタルを締めくくりました。

いつも思うことですが、今回は特に伴奏のロレンツオ・バヴァーイさんが素晴らしかった! 
彼のピアノは輝いていましたね。ステージではカレーラスばかりに目がいってしまうのですが
ラジオではピアノの音色にも集中して聞くことができました。
単なる「伴奏者」でなくまさに「共演者」で、二人のコラボレーションは見事でした。

歌手のような表現者は生身の人間ですから、その人の考え方や生き方は
自然と歌や表現に表れてしまいますね。
彼のその日の熱く激しくも真摯に舞台で歌う姿は、今までカレーラスが毎日を
誠実に生きてきた証ではなかったかと思えるのです。
復帰直後は聖人君子っぽくなったと言われてきたけれど
きっと病気のことがなかったとしても、彼はきっと変わらず生きてきたでしょう。

美しく人生の歩みを重ねてきた人だけが作り上げられる、そんな歌を
これからも一年でも一回でも多く、私たちに聞かせ続けてほしいと願わずにいられません。


スポンサーサイト
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。